どうも、元ソフトバンク社員のすまっちです。
2020年も残り僅かのところで、ドコモがとんでもない発表をしてきました。
ソフトバンクで料金プランを企画していた私からしても、携帯キャリア業界を揺るがすビッグニュース。
その内容とは、20GBで2,980円の『ahamo(アハモ)』と呼ばれる料金プランを2021年3月に提供開始とのこと。
「ホンマかいな!?」
「罠があるのでは!?」
と気になる人も多いと思うので、元ソフトバンク社員の僕が、徹底的にahamoについて解説します。
- プランの内容
- 注意点やデメリット
- ドコモの狙い・思惑とは
ahamo(アハモ)の概要
まず、ahamoのプラン内容から解説します。
料金
料金の基本スペックは以下の通り。
月額料金 | 2,980円(税抜) |
---|---|
データ容量 | 20GB |
通話料 | 5分までの通話無料 ※5分超過後は20円30秒 |
2年契約 | なし (解約金なし) |
まず驚きなのが、定価が2,980円という奇跡!
従来であれば、色んな割引を組み合わせて2,980円と謳い、プランが複雑化していましたが、ahamoは割引無しで2,980円。
シンプル is ベスト。
しかも、最初から5分までの通話が無料(オプション料金不要)という太っ腹ぷり。
「5分じゃ足りないよ!」という人向けに、月額1,000円で国内通話がかけ放題のオプションも用意されています。
まさに、死角なしの料金プラン。
罠がありそうな気もしますが、それについては後述します。
データ・通信速度
データ周りの仕様は以下の通り。
データ容量 | 20GB |
---|---|
20GB超過後の速度 | 1Mbps |
追加のデータ容量 | 500円/1GB |
ネットワーク | 4G/5G |
データ通信の仕様も素晴らしい!
20GBを超えた場合でも通信速度は1Mbpsなので、ネット検索やツイッターを閲覧する程度の速度は出ます。
さらに、従来はデータを追加するのに1GBごとに1,000円でしたが、1GB500円に値下げ。
格安SIMのように「通信速度が遅いのでは?」と心配になりますが、恐らくこれは通常のドコモの通信速度で提供されるはずです。
ちなみに、このデータ容量20GBは、海外82の地域で、追加料金なくそのままデータ通信が可能。
参考 海外エリアの詳細
事務手数料
通常、新規契約・機種変更・MNPする際は、事務手数料(最大3,000円[税抜])がかかるのですが、ahamo(アハモ)加入時はこの事務手数料が無料!
もちろん、プラン変更で加入する場合も、従来通り手数料はかかりません。
受付チャネル
ahamo(アハモ)が申し込めるのは、なんとオンラインのみ!
従来であれば、ドコモショップやコールセンターでもプランの変更はできましたが、ahamoはオンラインに限定して受付。
なので、ネット手続きに慣れていないようなシニアな方は、恐らくこのプランに加入するのに戸惑う可能性はあります。
My docomoを普段から使うような人が、どんどんプラン変更していきそうですね。
提供開始日・先行エントリー
2021年3月からahamo(アハモ)の提供開始。
2020年12月3日より先行申し込みを受け付けており、先行申し込みをすると、全員にdポイント3,000円分(期間・用途限定)がもらえます。
先行エントリーしたい人は、以下より申し込みが可能。
キャンペーンの詳細も以下より確認できます。
参考 先行エントリーを行う
ahamo(アハモ)の注意点・罠
安すぎるahamo(アハモ)について、「罠があるのでは!?」と疑いたくなるので、現時点で判明している注意点をまとめます。
- 20歳以上の個人のみ契約可能
- キャリアメールの提供はなし
- 支払いは口座振替・クレジットカードのみ
- 2021年3〜5月は申し込み方法が煩雑
- 家族割引や長期割引が一切ない
- ドコモ利用者は契約期間がリセットされる
- 全ての手続きをオンラインで行う必要がある
20歳以上の個人のみ契約可能
法人契約はできません。
また、契約者が20歳以上である必要があるので、20歳未満の人は親に契約者になってもらう必要があります。
キャリアメールの提供は無し
今の若い世代はキャリアメールを使わないですが、「@nttdocomo.com」のメールアドレスは使えなくなります。
既存のドコモユーザーで「@nttdocomo.com」のメールを使っている人は、gmailなどのメールアドレスに移行する必要があるので、ご注意を。
支払いは口座振替・クレジットカード払いのみ
何らかの理由により、口座振替・クレジットカード払い以外で携帯料金を支払っている人は、ahamo(アハモ)には加入できません。
これを機に、ドコモの「dカード」を持つことをオススメします!
年会費は無料、100円の支払いにつき1ポイントが貯まるのが最高。
参考 dカード
2021年3〜5月は申し込み方法が煩雑
システム対応ができるまでは、MNP(乗り換え)と同じ手続きが必要になるので、手続きが若干面倒・・・
MNPと同じ手続きなので、MNP予約番号の発行が必要です。
ドコモをご利用中のお客さまについては、MNPのお手続きは無しに、プラン変更で簡易にお手続きいただけます。ただし、システム対応に時間を要しており、システム対応が完了する5月までの間は、他社から乗り換えのお客さまと同等のお手続きを行っていただきますが、手数料や解約金のご負担はございません。
引用元:ahamo(アハモ)報道資料
システム対応ができれば、恐らくMy docomo内でプラン変更できるのですが、それまでに申し込む人はご注意を。
手続き方法は、詳細が判明次第にこちらにも追記します。
家族割引や長期割引などが一切ない
ahamo(アハモ)は定価が2,980円なので、従来の各種割引の対象外になります。
家族割引系ですと、「みんなドコモ割」がありますが、このような割引は適用されません。
さらに、契約期間が長いほど得をする「ずっとドコモ割プラス」も対象外、「ドコモ光セット割」も対象外に。
特に問題なのが、一度ahamo(アハモ)にプラン変更してしまうと、ドコモの契約期間がリセットされてしまうこと。
例えば、ドコモを10年以上使っていて、長期割引で優遇されていても、ahamo(アハモ)に変更するとリセットされてしまい、契約期間は1からカウントになります。
長期特典を考慮しても、ahamo(アハモ)の方がお得だと思うので、個人的にはあまり気にしませんが、契約期間が長い人はこの点も認識しておきましょう。
また、僕も今ドコモ光を使っているのですが、ドコモ光セット割が適用されないとなると、ドコモ光を使うメリットがなくなるので、ドコモ光を別プロバイダに変更するか悩ましい・・・
dカード GOLDの割引や10%還元の対象外が濃厚なので、そうなると、dカード GOLD分も含めてどっちがお得か検討する必要が出てきます。
全ての手続きをオンラインで行う必要がある
一番の注意点がこれ。
ahamo(アハモ)加入者は、ショップやコールセンターでのサポートを受けられません。
なので、プラン変更、機種変更、修理、困った時のスタッフへの相談など、全て自分でオンライン上で対応・解決する必要があります。
イメージ的には、My docomoやオンラインショップで全ての手続きを行うイメージ。
僕の場合は、元々ショップを使いませんし、機種変更もドコモオンラインショップで行うので、サポートを受けられなくても全く問題ありません。
若い人はオンラインでセルフで対応するのに慣れています。
逆に、シニアやスマホに慣れていないような人は要注意。
「ショップのスタッフがいないと不安」というような人は、ahamo(アハモ)の加入を様子見した方がいいかも。
ドコモのahamo(アハモ)の狙い・思惑
ドコモは大減収しそうなのに、なぜ20GBで2,980円ポッキリの料金が実現できるのか?
なぜ安いのか?
まず、ahamo(アハモ)加入者はショップやコールセンターでのサポートを受けられないので、その分のコスト削減を原資にできます。
また、ドコモ光セット割などの各種割引サービスなどを適用する必要がないので、割引原資の確保や運用コストの削減が見込めます。
さらに、受付をオンライン限定にすることで、加入者を絞ることも可能。
なので、ahamo(アハモ)に変更すれば、本来なら得する人が全員変更するわけではなく、変更できる人だけが変更するので、変更し忘れる人・できない人も一定数生まれます。
あと、「20GB」は、5G通信が当たり前の世界になれば、割とすぐに到達する容量です(たぶん)。
なので、データが足りなくなれば、データの追加料金も見込めますし、結局は20GBだと足りないとなって、100GBなどの大容量プランに戻す人も現れることが予想できます。
したがって、短期で見るとドコモは減収になるものの、中長期的に見ると、ahamo(アハモ)加入者のARPU向上、もしくは大容量プランへのアップセルが見込めると考えているのではないでしょうか。
まとめ
以上、ドコモのahamo(アハモ)の解説でした。
「20ギガで2,980円」はかなりインパクトのあるプランです。
ただ、プラン自体はシンプルでも、既存のサービスとの関係性が複雑だったりするので、変更する前に、本当にお得になるか考える必要があります。
特に、ドコモ光ユーザー、家族割引の加入者、dカード GOLDユーザー、データを沢山使う人、はよく考えてから変更するようにしましょう。
今後、詳細な情報が判明次第、追記していきます。
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