「WiMAXとデザリング、どっちのほうがいいのか?」という疑問は、しょっちゅう聞かれます。
両者とも「無線でインターネットにつなげられる」という点は同じです。
とはいえ、人によって「合う」・「合わない」があるのも事実。
本記事では、WiMAXとデザリングについて、詳しく比較します。
そもそもWiMAXとデザリング、何が違う?
両方を比較する前に、「WiMAX」と「デザリング」が、
- それぞれどんなものか
- 何が大きく違うのか
という点についておさらいしましょう。
WiMAXとは、UQ Mbileが提供している通信サービスのひとつです。
WiMAXでは、持ち運び可能な「Wi-Fiルーター」という機械を提供されています。
つまりWi-Fiルーターがあれば、どこでもインターネットへ接続できる、というわけですね。
「デザリング」とは、簡単に言えば「ある機械が、インターネットへの接続できる機械の回線を借りて、ネットへつなぐ」というものです。
要するに機械が、別の機械の通信環境を借りる、というような仕組み。
たとえばiPhoneの4G回線をMacBookが使うなら、「MacBookをiPhoneでデザリングしている」、というわけですね。
WiMAXのように、「どこかが提供しているサービス名」ではなく、「インターネット接続における技術全般」のことを指しています。
WiMAXとデザリングを、比較してみよう
両者を比較するうえで重要なのは、「いくらの利用料金で、何ができるか?」というところ。
具体的には、
- 費用面
- 使えるエリア
- 通信速度
- 使い勝手
という4点が挙げられるでしょう。
それぞれについて、詳しく解説します。
費用面で比較する
まずはもっとも重要な、費用面で比較してみます。
…とはいえ、結論から言えば、「どちらか一方が優れている」とは言いづらい部分があります。
WiMAXを利用する場合、だいたい月々3,000円から5,000円がかかります。
格安SIMのスマートフォンより、少し安いくらいですね。
一方でデザリング機能は、「端末の契約におけるオプション」として設定されていて、月々500円程度で利用可能です。
圧倒的にデザリングのほうが安いことがわかります。
ただし、当然のことながら「端末の契約料金」に上乗せされる形です。
「デザリングだけを使う」というのはありえないことなので、注意しましょう。
使えるエリアで比較する
使えるエリアで言えば、WiMAXのほうが有利です。
よほど人がいない場所でなければ、大体どこでも使えます。
デザリングのほうも、「使えるエリアの広さ」だけで言えば、WiMAXと大差はありません。
ただ「3G回線」しかとおらない地域が多いというのが痛いところ。
4G回線が当たり前になって、「そろそろ5Gがくる」という段階で、3G回線の通信速度は使用に耐えるものではありません。
つまりWiMAXのほうが、「エリア」という面ではすぐれているでしょう。
速度で比較する
速度についても、WiMAXのほうが有利でしょう。
WiMAXの通信速度は、最大で1.2Gbps。
簡単に言うと、「動画でもオンラインゲームでも、サクサク楽しめる」という速度です。
(引用:UQ WiMAX)
一方でデザリングでは、(何の回線を借りてくるかにもよるが)「動画を視聴するのがギリギリ」、というケースも少なくありません。
というわけで速度面では、WiMAXのほうが有利。
使い勝手で比較する
使い勝手で言えば、圧倒的にデザリングのほうがすぐれています。
なぜなら「ルーターを持ち運ばなくてよい」から。
必要なのはいつも使っているスマートフォンだけなので、持ち物が増えません。
WiMAXとデザリングのメリットとデメリットをまとめ
上記の比較結果から言えるのは、「どちらか一方が極端にすぐれている」、というわけではないこと。
それぞれに得意と不得意があり、そして人によって合う・合わないという相性の問題もあるでしょう。
いったん、WiMAXとデザリングのメリット・デメリットについて、整理しておきます。
以下を参考に、どちらを利用するか検討するとよいでしょう。
WiMAXのメリットとデメリット
<メリット>
通信速度はかなり速いうえに、安定している
場所を問わず、インターネットにつなげられる
クレイドル(充電器のようなもの)に接続している場合、さらに通信速度は安定する
<デメリット>
WiMAX専用のルーターを持ち運ぶ必要がある
デザリングよりも費用はかかる
デザリングのメリットとデメリット
<メリット>
ルーターなどを持ち運ばなくてもよいので、持ち物が少なくなる
たまにしか使わないなら、ちょうどよい
新しい機器やプランを契約しなくてもよい
追加オプションなので、費用が安くなる
<デメリット>
デザリング機能が有料である場合も
スマートフォンの通信容量がかさんでしまう
バッテリーの消耗が激しい
通信速度はさほど速くない
まとめ:自分に合ったほうを選ぼう
冒頭でも述べたとおり、WiMAXとデザリングは、しょっちゅう比較される関係にあります。
なぜ頻繁に比べられるかというと、本記事でも述べたとおり、やはり両方とも甲乙付け難いほどすぐれたサービスだからでしょう。
明らかな差があれば、わざわざ比較されることもありません。
やはり「自分に合ったほうを選ぶ」というのがポイントになります。
何を持って「合っている」とするかは人それぞれです。
ただ、メリット・デメリットをふまえて考えるなら、
外出先でインターネットを使う頻度が高い→WiMAXのほうがよい
たまにしか無線接続を使わない→デザリングのほうがよい
と言えるでしょう。