iPhoneを誤って水没させて壊してしまい、高額な修理代に苦い経験をされたことがある人も多いのではないでしょうか。
iPhone6sまでは耐水性能を搭載していなかったため、水没により破損してしまうリスクが高いモデルでした。
その翌年に発売されたiPhone7は初めて耐水性能を搭載したモデルでした。
それ以降は年々、耐水性能が強化され、昨年発売されたiPhone12シリーズは、最大水深6mで30分間置かれた状態に耐え、壊れることなく利用できるまでに強化されています。
耐水性能を強化されたiPhoneの本当の実力を知らしめるニュースが、定期的に海外から飛び込んできます。
iPhoneに搭載された本当の耐水性能の実力を見てみましょう。
【事例1】6か月間湖底に沈んだiPhone11
カナダのブリティッシュコロンビア州チリワックに在住のクレイトン・ヘルケンバーグ夫妻が、地元にあるハリソン湖に沈んでいるゴミを回収するという動画を撮影しているときでした。
クレイトさんが潜って湖底を探していると、折りたたみタイプの携帯電話やいくつかのスマートフォンを見つけたのですが、その中に他のスマートフォンより状態がいいiPhone11があったのです。
ヘルケンバーグ夫妻はiPhone11を持ち帰り、清掃して乾燥させたところ、なんと無事に電源が入ったのです。
湖底にどのくらいの間、沈んでいたかはわかりませんが電源が入ること自体が奇跡といえるでしょう。
ただスピーカーやマイク部分は腐食が激しく機能しなかったため、クレイトンさんは挿入されているSIMカードを別のスマートフォンに移し、持ち主の電話番号を確認するとテキストメッセージを送りました。
送ったテキストメッセージに連絡をくれたのは、バンクーバー在住のファテメ・ゴメスさんでした。
≪画像元:ai appleinsider≫
持ち主ファテメさんに帰っていったiPhone11
ファテメさんは最初に届いたテキストメッセージをみて「友人のいたずら」だと思っていたそうですが、何度かやりとりをしているうちに「これは自分が落としたiPhone11に違いない」と確信し、クレイトンさんに取りに行くと伝えたそうです。
ファテメさんがiPhone11を落としてしまったのは2020年9月ごろ、ハリソン湖で友人とボートで遊んでいるシーンをセルフィー撮影しようとしたとき、バランスを崩して落としてしまったそうです。
すぐに湖の管理事務所に相談しにいったのですが、見つからないといわれ諦めたと語っています。
クレイトンさんからの連絡が2021年3月だったため、約6か月間湖底に沈んでいたことになります。
iPhone11は一部壊れていましたが乾燥させて電源が入るまでに回復していたことで、大切なデータを失うことなくファテメさんの手元に戻っていきました。
なおiPhone11の耐水性能は、水深2m、30分間の水中に置かれた状態に耐える性能を持つモデルです。
【事例2】凍った湖底に30日間 iPhone11 Pro
IECが定めている耐水・防水性能はいくつかの条件があります。
例えば真水であることや常温であることなど、特定の条件下において測定されています。
今回はカナダのサスカチュワン州ワスクサイウ湖で、家族で誕生日のお祝いをしながら釣りを楽しんでいたアンジー・キャリーさん。
膝の上に置いたiPhone11 Proを誤って湖面に開けた氷の穴から落としてしまったのです。
水面が凍るほどの状況下では落としたiPhoneを拾いあげる方法はなく、アンジーさんも諦めかけていました。
ただ保証期限が切れていないため「交換」も脳裏をよぎったのですが、「磁石で拾いあげられるかも」という発想が浮かび、手伝ってくれる人を集め、水中カメラまで用意して救出することにしたのです。
そして実際に磁石を落として引き上げる作業を繰り返し行い、2時間が経過する頃にようやく湖底に沈んでいたiPhone11 Proを救い出すことに成功しました。
ですがiPhone11 Proを落としてから30日後の救出作業だったため、アンジーさんも救出作戦に参加された人も全員が壊れていると諦めていたことでしょう。
≪画像元:iPhone Hacks≫
すべての機能が正常に動作
念の為、乾燥させてから充電をしてみると、ちゃんと充電されていたそうです。
そしてその後、電源を入れてみると無事に起動してきたといいます。
そして動作チェックを行ってみましたが不具合はなく、30日間湖底に沈んでいたといっても信じてもらえないほど、まったく問題なく機能していました。
iPhone11 Proは水深4mに30分間置いた状態で、水損などの影響はないレベルの耐水性能を持っています。
今回は30日間、水面が凍るような環境下に沈んでいたiPhoneが、壊れていなかったことに驚かれたことでしょう。
【事例3】1年間の水圧に耐えたiPhone11 Pro Max
台湾からのニュースは、日月潭でボートを楽しんでいたときに誤って落としてしまったiPhone11 Pro Maxが、約1年後に起きた日月潭の渇水によって持ち主の元に戻ったことを報じています。
落としてしまったiPhone11 Pro Maxですが、持ち主の男性は以前からよく物を落としてしまう癖があったため、今回はプラスチック製の防水ケースに入れていたそうです。
水没から1年後、日月潭が渇水で湖底が見える状態になったことを知った男性は、日月潭に探索に訪れ、無事に汚れた防水ケースに入ったiPhone11 Pro Maxを見つけました。
≪画像元:ai appleinsider≫
手元に戻ったiPhone11 Pro Maxは無事か
防水ケースに入れておいたおかげで水損はしなかったものの、1年間、それなりの水圧がかかった状態だったため、壊れていてもおかしくありません。
ですが1年間の水圧に耐えたiPhone11 Pro Maxは無事に動作し、その耐久性のレベルを知らしめたといえるでしょう。
また男性も強運の持ち主で、防水ケースのプラスチックが腐食して破けてしまう可能性や、日月潭が渇水して湖面が見えてしまい発見しやすい状況になったことなど、とても偶然とは言えない奇跡があったといえます。
事例から読み取れるiPhoneの耐水性能
今回3つの事例を紹介しましたが、これ以外にも水没したiPhoneが手元に戻ってきたというニュースが飛び込んできています。
それだけiPhoneの耐水性能は優れていて、完全防水モデルといっても過言ではないでしょう。
ただAppleは水没による破損や故障は保証外としているため、故意にiPhoneを水中に落とすのはやめましょう。
お風呂で使いたいときは防水ケースなどを利用して、iPhoneを水没させないように対策してから利用してください。
iPhoneはあくまでも耐水性能を持つスマートフォンであって、完全防水ではないからです。
完全防水モデルは、内部に水が侵入しないように密閉された状態になります。
完全防水スマートフォンのリスク
密閉状態は空気の入れ替えができないため、高温になったCPUやGPUなどのチップセットを上手に空冷することができず、スマートフォンが熱暴走してアプリやOSを突然落としてしまうのです。
またCPUは温度が上がると素子の破壊を防ぐため、スマートフォンのパフォーマンスを低下させるので快適な動作はできなくなります。
最悪の場合、CPUが壊れてしまいメインボードの交換といった事態にもなりかねません。
iPhoneは高処理のCPUを搭載しているので、完全防水のようなモデルの登場は期待できないでしょう。
iPhone13シリーズも強化された耐水性能が搭載された場合、さらに水没からの復活ニュースが飛び込んで来そうです。
これから夏本番を迎え、川や海などで遊ぶシーンも増えると思いますが、誤ってiPhoneを水中に落とさないように注意しながら利用してください。