2021年3月12日、大きなニュースが世間を騒がせました。
キャリアとして新たに登場した楽天モバイルの親会社、楽天が、日本郵政・日本郵便と資本・業務提携をすることが発表されたのです。
このニュースは、これから楽天モバイルが大手キャリアの牙城を崩す一石ともいわれていますが、それはなぜでしょうか。
今回は、楽天モバイルと郵便局が資本提携したことでどのようになるのかを説明します。
楽天と郵便局のタッグは最強の組み合わせ!
楽天モバイルへの影響をお話する前に、楽天と日本郵政・日本郵便が資本・業務提携をした意味についてお話をします。
日本郵政・日本郵便は、言わずと知れた日本の郵便事業者です。
全国展開している郵便局や物流ネットワークは、他の運送会社の追随を許さない、圧倒的牙城を築き上げています。
一方の楽天は、楽天市場や楽天モバイルと言った70以上のサービスを提供する、日本を代表する企業のひとつです。
会員数は延べ1億人ともいわれており、こちらも圧倒的な強さを見せつけています。
ネット環境に頼らない日本郵政・日本郵便と、ネット環境で力を持つ楽天の資本提携によって、楽天はオンラインでもオフラインでもサービスを拡充させることができるようになりました。
双方が持っている膨大な顧客情報や物流拠点を、相互に使えるようになるのです。
楽天モバイルへの影響は
日本郵政・日本郵便と資本・業務提携したことで、楽天モバイルにはどのようなメリットが加わるのでしょうか。
大きなものが2つありますので、それぞれご紹介します。
メリット1. 楽天モバイルの広告が郵便局で可能になる
楽天モバイルは、この発表の3日前の3月9日に、会員数300万人を突破しました。
インパクトのあるテレビCMや口コミによって人気が爆発したことが、大きな理由でしょう。
しかし、まだまだ成長の可能性がある楽天モバイルがこれで満足しているはずがありません。
今回の提携で、郵便局のイベントスペースを活用して、楽天モバイルの広告を掲載することができるようになりました。
このおかげで、普段テレビを見ない人や郵便局に足を運ぶ人に訴求できるようになったのです。
メリット2. 申し込みが郵便局のカウンターでできるようになる
もうひとつ、楽天モバイルにとって大きな収穫となったのは、郵便局で楽天モバイルの申し込みができるようになったことです。
300万人の申し込みを獲得した楽天モバイルですが、そのほとんどはネットからの申し込みでした。
しかし、中にはネットに疎い人もおり、それらのターゲットを逃してしまいがちでした。
楽天モバイルの申し込みが、郵便局でできるようになれば、今までネットが使えないことを理由に申し込みを渋っていた人を取り込むことができます。
また、楽天モバイルが独自で店舗を出す必要がないため、楽天にとっても非常にありがたい話でもあるのです。
既存店舗600店の楽天モバイルの快進撃が、これから始まりそうです。
2社のタッグが大きな変化に
楽天と日本郵政・日本郵便と資本・業務提携がもたらす影響についてお話してきました。
どちらもビッグデータと呼ばれる膨大な顧客情報を有しており、この2社がタッグを組んだことで通信事業のみならず、物流業界にも大きな変化が訪れるでしょう。
今後、楽天モバイルとしては通信環境の整備が課題となりますが、顧客を取り込む準備はこれでできたといっても過言ではありません。
今後、ドコモ・KDDI・ソフトバンクが築き上げてきた牙城を崩すことはできるのでしょうか。
今後の動きから目が離せません。