楽天モバイルは人気の反面、つながりにくいという話も多いです。
その理由は、通信回線の問題があります。
特に、他の3キャリアが「プラチナバンド」と呼ばれるのに対して、楽天モバイルには割り当てられていない現状があります。
実は、楽天モバイル側も、プラチナバンドへの参入を希望しているのです。
今回は、楽天モバイルが切望するプラチナバンドについて、詳しい説明と、楽天モバイルがプラチナバンドになったらどうなるかを説明します。
プラチナバンドとは
プラチナバンドとは、総務省が通信事業者に割り当てる700~900MHzという低い周波数の電波を指す総称です。
低周波数のこの電波は、障害物の影響を受けにくいという特徴があり、広いエリアをカバーできるものです。
言い換えれば「つながりやすい電波」ということになります。
楽天モバイルはプラチナバンドの割り当てがない
2021年4月現在、楽天モバイルはプラチナバンドが割り当てられていません。
それ以外のドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社にはすでに割り当てられています。
「割り当てる」ということですが、電波は各企業が勝手に発信しているものではありません。
電波の持ち主は国であり、電波を使って通信事業をする場合には総務省の許可が必要となるのです。
現状、楽天モバイルはこの許可をもらえていないため、プラチナバンドを持っていないのです。
割り当てないのではなく余りがない
楽天モバイルは、実はすでに1度プラチナバンドへの割り当てを希望し、総務省に申請しています。
しかし、却下されてしまい「不公平だ」と反論したことがあります。
この時、総務省は楽天モバイルにプラチナバンドを割り当てなかったのではなく、余裕がなかったのです。
プラチナバンドは現状、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社によってすべて利用されている状態で余っている部分がありません。
楽天モバイルにプラチナバンドを割り当てようと思うと、この3社から1度、プラチナバンドの電波を返却してもらう必要があるのです。
総務省も楽天モバイルにだけ意地悪をしているわけではなく、ただ単に「もう在庫がない」という状態なのです。
公正な競争環境を整えるために
とはいえ、楽天モバイルだけが苦戦を強いられている現状を、総務省も黙ってみているわけではありません。
総務省はあくまでも「公正な競争環境」の整備に力を入れているからです。
一方で3社からすれば、新しい通信事業者に庭を荒らされるのは嫌なわけで、話し合いは平行線のままなのが現状です。
海外に目を向けてみると、イギリスやフランスでは、周波数をオークション形式で割り当てています。
これにより公正な競争を実現しているのです。
また、総務省が通信事業者の競争をどうにかしたいという思いから、携帯料金値下げを断行させました。
総務省もこの問題を、指をくわえて事業者任せにはしていません。
楽天モバイルがプラチナバンドになる日は来る?
現状のままでは楽天モバイルにプラチナバンドが割り当てられることはありません。
しかし、通信事業は国益にもつながる問題であり、かつてはソフトバンクが同じような訴えを起こしてプラチナバンドの使用が認められたように、今後解決する可能性がないわけではありません。
ユーザーが増えていっている楽天モバイルは、2022年秋に割り当てをしてほしいと総務省に再び申請をしています。
もし、楽天モバイルがプラチナバンドになれば、今は市街地を中心にしか使えない楽天モバイルも、さらに利便性が上がるでしょう。
今後の動向に期待しましょう。
すぐにプラチナバンドにはならない
楽天モバイルが抱える問題であるプラチナバンド割り当て問題について説明してきました。
今後すぐに、楽天モバイルにプラチナバンドが割り当てられる可能性はあまり高くありません。
しかし、いずれはプラチナバンドが割り当てられるのではないでしょうか。
長い目で見て待ってみるのも、ひとつの方法かもしれません。