片手で操作できる小さいサイズのiPhoneが欲しかった人にとっては、どんどん大きくなるiPhoneを見て、絶望を感じていたことでしょう。
その矢先、2020年4月のiPhone SE(第2世代)登場は、そんな悲観的なユーザを救うモデルといっても過言ではないでしょう。
ですがスペック的には、かなり最新向けになっていますが、やはり一世代古いものになってしまいます。
iPhone12シリーズのラインナップとして登場したiPhone12 miniは、5Gサービスやナイトモード撮影などの最新スペックを搭載しつつ、片手で操作を可能にしたモデルです。
そんな誰もが欲しくなるiPhone12 miniに、こんな悲劇が待っていたとは想像できなかったでしょう。
いったいどんな悲劇が、iPhone12 miniを襲ったのでしょうか。
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≪画像元:Apple≫
iPhone12 miniが減産へ
2020年10月に開催されたAppleスペシャルイベントで発表されたiPhone12 miniは、2016年3月に発売されたiPhone SE(第1世代)を彷彿させるモデルで、買い替えを渋っていたユーザはようやく機種変更できるモデルを見つけたと安堵したことでしょう。
高い注目度からiPhone12 miniは、誰もが年内に入手するのは難しいモデルになるだろうと思っていたかもしれません。
ですが発売から1ヶ月が過ぎた頃から、家電量販店でも「予約なしで購入可能」と、店頭でも紹介されるほど在庫が潤沢となったのです。
これなら欲しいユーザに素早くiPhone12 miniが行き渡ると思うかもしれません。
しかし、あまり売れ行きが伸びずiPhone12 miniの在庫だけが山積みになり、家電量販店のスタッフたちも頭を抱えている状況でした。
iPhone12 miniの在庫状況は海外でも変わらず、AppleはついにiPhone12 miniの減産をサプライヤーに伝えているというニュースが、海外情報メディアから飛び込んできました。
それがiPhone12 miniの製造を、2021年第二四半期は中止するというものだったのです。
iPhone12 miniの製造中止に発展
Appleが各サプライヤーに対してiPhone12 miniの減産を指示したと、サプライヤーの動向に詳しいアナリストが投資家向けのレポートでまとめています。
当初はiPhone12 miniの減産と伝えられていましたが、このままでは在庫過多の状況が改善されないため、第二四半期に製造を中止するという話が出てきたのです。
iPhone12 miniの製造中止の背景には、在庫過多の状況があったことも間違いなかったのです。
売れ行きが順調で在庫枯渇が問題視されていたiPhone12 Proシリーズや、前モデルであるiPhone11など人気の高いモデルの製造に力を入れていくのではないかと伝えられています。
またAppleの動向に詳しいアナリストのミン・チー・クオ氏や、高い的中率を誇る情報リーカーのジョン・プロッサー氏などが予測しているiPhone SE Plusの製造に、Appleはリソースを割り当てる予定があるのでしょう。
iPhone12 miniの売り上げ不振による在庫過多を、逆手に取った戦略なのかもしれません。
iPhone12 miniが売れなかった理由
これはかなり推測が含まれますが、iPhone12 miniが注目されたわりに売れ行きが振るわなかった理由は、やはり価格にあったのではないかと思われます。
高級感のあるiPhone12 Proは、10万6,800円で、iPhone12 miniは7万4,800円と差額が3万2,000円しかありませんでした。
この金額を支払うと、トリプルカメラやLiDARスキャナを搭載し、ナイトモードでもポートレートが撮影できる機能を搭載、ストレージも128GBから購入できるため、それだったら少しだけ予算をオーバーしても、iPhone12 Proを購入しようと考えている人が多かったのではないでしょうか。
その結果が、iPhone12 miniと、iPhone12 Proの現状を生み出したのです。
これに似たことが過去にもあり、その違いと価格が顕著に売れ行きに影響したのがiPhone5cとiPhone5sでした。
単純に価格差だけではなくスペックにも違いもありましたが、Touch IDやアルミニウム素材を利用した高級感のあるデザインから、iPhone5sは在庫が枯渇し入手までに相当な時間がかかってしまったことがありました。
多少高額なモデルであっても高級感のあるモデルの方が売れる現象が、iPhone12 miniとiPhone12 Proで起きてしまったのでしょう。
次期iPhoneへの影響は?
山積みになっているiPhone12 miniの在庫が、少しでも解消されれば後続モデルの登場は安泰かもしれません。
ですが製造中止になったモデルの後継モデルが登場したとしても、売れることは難しいのではないでしょうか。
そう考えると2021年に発売されるiPhone13(またはiPhone12s)では、miniの名前を持つモデルは登場しないかもしれません。
ただこの意見に反論するリーカーも現れたことから、iPhone13 mini(またはiPhone12s mini)が登場することに期待したいと思います。
また、これまでのユーザの購入パターンから、高級モデルへの変更だってありえます。
せっかく最新スペックでありながら、小型のiPhoneを出してきたのですから、このぐらいのことはやってもらいたいものです。
また2月からはソフトバンクのサブブランドであるY!mobileが、iPhone12 miniの販売を始めるというニュースも伝わっています。
これで市場に溢れているiPhone12 miniの在庫状況が、少しでも改善されることに期待しましょう。
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